2013年2月8日金曜日

地域公共交通とデザイン

2月初旬に配布された、 西之表市の地域公共交通改正に関するお知らせです。
詳細は、西之表市の公共交通で確認していただくとしまして…


西之表市の新たな公共交通も運行を開始してから1年が経過し、無事故の安定した運行が続き、市民の足として しっかりと定着しつつあります。

この4月からは皆様の要望を受け、停留所や運行便数などが変更になり、さらに身近な市民の足として便利に利用できるように様々な改正されます。


長らく公共交通の視覚に関するデザインを担当させていただいておりましたが、運行開始前には様々な作業がたて込み、何の紹介もしていなかったことに気がつきました。

市街地にいると巡回バス2台、デマンドタクシー5台を見かける頻度は多いと思います。
ですが、各車両が停車していていも、ゆっくり見ている暇がありません。


車両のデザインに関しては、前後方の機能が中心となっています。
利用者には各路線の色分けと、路線名頭文字の漢字アイコンにより、確実に路線を特定してもらうことが重要だと考えています。
 なにせ、市街地の乗降場所ではデマンドタクシーと巡回バス複数台が同時間帯に、同停留所乗降場所へ集合する可能性もあるわけで…
それにプラスして、福祉関係や運送業、工事業などでも同じ車種が使われていることも鑑みれば、公共交通だとわかる識別誘目性の高い独自のデザインにするというのは必然ともいえます。

前後の識別機能中心とはいえ、側面に様々なデザインがされているのに、じっくり見る機会というのはありません(笑) せっかくなので、ご紹介したいと思います。

デマンド型乗合タクシー「どんがタクシー」

愛称の「どんがタクシー」は市民からの公募により決定。「どんが」とは種子島弁で「私の」という意味だということで、意に沿うように以下のような方向性でデザインを起こしました。
5路線で市内全域をカバーするデマンド型乗合タクシーの車体側面には、各路線の地域に伝わる伝統芸能や祭事などをモチーフに地域ごとに異なるデザインとし、利用者の愛着を高めることを目的としております。

写真上から順に

国上線(えび茶色)洲之崎どすこい、上西横山盆踊り、国上花踊り
柳原線(紫色)   伊関新地節、安納棒踊り、現和ヨンシー踊り
住吉線(桃色)   下西船祝い歌、住吉面踊り
立山線(青色)   安城なぎなた踊り、現和種子島大踊り、立山おつや口説き
古田線(橙色)   古田獅子舞、古田棒踊り、中割鴻峰ヤクタネゴヨウ
一度に全5路線を見ることができたのは、運行開始前のセレモニーだけでした。


市街地巡回バス「わかさ姫」

愛称の「わかさ姫」は市民からの公募により決定。それを受けてラッピングデザインのアイデア出しを行いました。

わかさ姫といえば国産火縄銃を作った矢板金兵衛の娘若狭。

1543年種子島にポルトガル船(明船)が漂着。南蛮人の持っていた鉄砲の威力を見せつけられた若き島主の種子島時尭は刀鍛冶の八板金兵衛たちに国産銃の製作を命ずる。
しかし、銃創のネジの部分がうまくいかず、その技術の譲渡を受けるために金兵衛の娘若狭はポルトガル人と結婚する。鉄砲開発のための政略結婚であった。

伝えられているわかさ姫の一連のストーリーを流れるように表現してあります。
南蛮船(明船)漂着~島主時尭の命~刀鍛冶矢板金兵衛の研鑽~国産銃~若狭望郷の念

バス停の表示もこの4月から、新しくよりわかりやすい表示内容に一新。
イメージはわかさ姫の車両と共通したデザイン。
そして、デマンド型乗合タクシー「どんがタクシー」の市街地指定乗降場所でもあります。


運行開始から2年目を迎え、4月からの改正とともに公共交通としての利便性や設備も充実し、
さらに多くの皆様に利用してもらえるよう 、進化を続けていくことだと思います。




市政の窓でもお伝えしましたが、 任期終了にともない、本ブログへの協力隊新畑からのアップロードは今回を持ちまして終了させていただきます。

2年半という短い間ではありましたが、市民の皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。

           2013年2月 地域おこし協力隊 新畑幸一
 













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